デハラユキノリさんの所蔵の本が立ち読みできる!?本をテーマにつくられたフィギュア展についてインタビューしてみた
年始から、高知市のおびさんロードにありますカフェギャラリーファウストにて開催されていた
フィギュアイラストレーター デハラユキノリさんの個展「本とフィギュア展」。
一年掛けて全国5~6ヶ所を回られるというこの展示会に足を運び、
デハラさんに実際にインタビューしてきました!
インタビュアー(以下、― 宜しくお願いします。
デハラさんは90年代の終わりからフィギュアイラストレーターとして活動をされていて、今では日本だけでなく世界で活躍されていますが、フィギュアイラストレーターを目指されるようになったきっかけというのはどのような経緯からでしょうか。
デハラユキノリ(以下、デ):そうですね。高校卒業後、グラフィックデザイナーを目指して大阪の芸大に入ったんですが、僕は絵を描くことを仕事にしたいと思ってたんですが、グラフィックデザイナーの仕事は思っていたものとは違っていて。
大学在学中に、授業とは別で絵を描いて個展を始めて絵を売ったりしていたいくうちに、デザインじゃなくてこっちの活動を仕事にしたいと思うようになっていきました。
でも、すぐにそれ一本で生活できるわけじゃないので、京都で一年間デザイナーの仕事を勤めた後、上京して、フィギュアイラストレーターを名乗り始めました。
なので、きっかけというよりは学生時代から作品をつくって発表するということをしたかったので、それを目指していった感じですね。
上京した当時、2年間頑張ってみて芽が出なかったら高知に帰ろうかなとは思っていたんですが、いろんな雑誌の出版社などに売り込みにその2年のうちになんとかこの仕事一本でも生活できるようになってきました。
― 初めて経験されたお仕事をお伺いしてもよろしいですか?
デ: 最初の仕事は、雑誌のポパイでやらせて頂いたお仕事ですね。
ポパイは昔からイラストレーターさんが描かれたイラストを多く使われていてずっと憧れを抱いていた雑誌だったんです。
ポパイはファッション誌なんだけどファッションだけじゃなく、いろんなカルチャーも取りあげている、雑誌のテイストがすごく好きで。
ポパイにも売り込みに行って、運良く仕事をもらうことができたんです。
その時は「あれ?もしかして、イケるかも!?」なんて思ったんですが、それっきりだったんですけどね(笑
※その時の画像がデハラさんのサイトに載っていましたので掲載します。
人目に触れるとは言っても雑誌の仕事って街で見かけるわけじゃないので、あまり目にも止まらないじゃないですか。
― はい。
デ: ちゃんと人目に触れることになった仕事がスポーツメーカーのNIKEさんの全国で当時30店舗ほどあったショップのリニューアルだったり、新規オープンされた際のビジュアル広告です。
それはポスターだったり、ビルの屋外に飾られる懸垂幕だったり。全国のNIKEさんのショップで展開されたお仕事でした。
もうひとつがそれと近いタイミングで受けたタワーレコードさんのキャンペーン広告ですね。
このふたつで認知が一気に広がったように思います。
― なるほど。そのお仕事はどのような経緯で依頼が来たんですか?
デ: NIKEさんのお仕事は個展をやっている時に会場に足を運んでくださったNIKEの広告を担当されている会社の方から「こんな感じでやりたいんだけど。」と、お話を頂いたんですが、元の作風とあまり変わらないかたちで制作することができました。
― 個展のテーマは作品をつくる前から決められているんですか?
デ: いえ、先に個展のテーマを決めてフィギュアをつくることはあまりなくて、いつもフィギュアをつくっていたりだとか日々の生活の中で次のアイディアが湧いてくるのでそれを書き留めておいて、作った作品だったり書き留めたメモを見ながら、これに沿ったものを50体くらい用意してそれに沿ったお話なんかも用意して・・・という感じでやっています。
― 個展は年に何ヶ所くらいまわられてるんですか?
デ: 今やっている「本とフィギュア展」のように、設けたひとつテーマの個展を年一回くらいのペースで、開催していてだいたい5~6ヶ所くらいで順を追って開催しています。
― 普段つくられている作品もほとんど手作業でされていますよね。
デ: そうですね。展示している一点ものの作品はすべて紙粘土を手でこねてそれををこたつで乾燥し、アクリル絵の具で着彩してという流れでつくっています。 ソフビだったりのグッズは外注しています。
― 海外進出もされていますが、そのきっかけはどのような経緯からですか?
デ: 東京の表参道にあるロケットという好きなギャラリーがあるんですが、そこで個展をやっていたらアパレルのバイヤーさんのような方たちが通りかかって、展示品を買って帰りたいっておっしゃったんですが、展示しているものは一点ものなのでその場で購入して持って帰られるとがら空きになってしまうので一度断らせてもらったんですが、台湾から来てるからどうにかならないかと粘られまして(笑
仕方ないので、その場でお買い上げ頂いて持って帰ってもらいました。
そしたら、後日連絡がありまして、それがその方たちのやられているアパレルブランドの何周年目かのイベントの記念としてそこのショップで個展をしてくれないかと言われたのが一番最初の海外での展示会です。
それから、香港でも似たような話があって、そのあとでニューヨークとロサンゼルスで個展もさせていただいたんですが、以前からグッズを置いてもらってて、ある日連絡したら展覧会されませんかと声を掛けて頂いて。
― ロサンゼルスでの個展では映画監督のJJエイブラムスさんも来られていましたよね?
デ: そうですね。もともとエイブラムスさんはあのギャラリーのお客さんでよく来られていたみたいで、ロサンゼルスだったりアメリカで有名なアーティストや、バンドマンも来られているみたいですね。
「スターウォーズ」の公開が迫る。二年前のLAの個展に来てくれたJJエイブラムス、ラフな格好なので近所のおっさんと思って話していた。その時すでにスターウォーズの監督に決まっていたのに映画の話は聞かず。デハラのバカ!楽しみにしてます。 pic.twitter.com/xmUZDuMzEB
— デハラユキノリ (@deharayukinori) 2015, 12月 16
― 今回の個展で展示されている作品の中で、ご自身が一番気に入られているのはどの作品ですか?
デ: そうですね。僕は普段似顔絵っぽいものはあまりつくらないんですが、仕事で頼まれると似せないといけないし、あまり変なことをしてしまうと失礼かなって思ってしまったり、いかにも作業的になってしまうという理由からあまりつくらないんですが、今回は自分が好きな方だったり懇意にさせて頂いてる方を割と自由につくらせて頂きました。
これは高知でデザイナーをされてる梅原真さんのフィギュアなんですが、このシリーズをつくっている最中に一緒に飲ませて頂く機会があったので、その時にジロジロと観察しながら特徴を押さえて数日で完成させました。
― 確かに、梅原さんの特徴をしっかりと捉えられていますね!(笑
デ: それと、このDavid Choeさんというアメリカのアーティストなんですが、この方は生活が酷くて(笑
AV女優を集めてよくない写真なんかを撮ったり、パーティして騒いではそれをモチーフにした作品をつくっているという芸術家です。
女の子と遊んだではそれを写真に納めて作品に反映されてるという。
元々は壁画なんかのグラフィティーアートなんかをやってたんですけど。
この本はアメリカでいつも個展をさせて頂いているギャラリーに、置いてあって「あ、新しいのが出てる!」って思って手にとってみたら自費出版でないとこんな本作れないので、おそらくこの本は日本には流通していない・・・させられないと思います。
やりたい放題に自由にやりきっていながらも、ちゃんと作品に還元されてる。このスタイルに感銘を受けて思わず買っちゃった本ですね。
普段は別の場所に住んでる彼なんですが、たまたまロスで会うことができて、そのまま食事に行ったんですが、そこでの会話も相当ひどかった(笑
でもインパクトのある人だしすごく面白いので、帰国してからすぐに作品にしてしまいました。
― ここに展示されている作品はすべてデハラさんが読まれた本ですか?
デ: そうです。僕が実際に持っている本ですね。人の本棚をのぞくのって面白いじゃないですか。
こいつこんなにダサい本ばっかり持ってるのかとか。逆に普段頭の悪いことばっかりしてるのに、わりと賢い本が好きなんだなとか、想像している人物像と違ったりするとなおさらですよね。
僕の家にある本をズラッと持って来ているので、それを覗き見する感じで見に来て頂ければ嬉しいです。
あと日頃、いろんなものを見たり聞いたりすることで作品へ反映されるものを溜めているんですが、それって僕の頭のなかにあるものなので他の方にはなかなかわからないじゃないですか。
映画を観てつくりましたと言っても、それをどのようにしてつくっているのかという過程がわからないと思います。
今回は、本とフィギュアをテーマにしているので、本を読んでそこから得たものや、どうしてこの作品に繋がったのかがわかるよう一度ラフスケッチというかたちで紙におこしています。
それを作品と合わせて観て頂きたいですね。
― ということは、展示されている本もその場で読んでもいいんでしょうか。
デ: もちろん。立ち読みし放題なので(笑
― デハラさんが来場される方におすすしたい本は?
デ: やっぱりこの会場でしか読めない、David Choeさんの本ですね。
あとは、これはけっこう売られているんですが、これもなかなかに酷い本で男性器ばかりが載っている本です(笑
中にはハリウッドセレブも登場してるんですけど、この人に撮ってもらうとカッコいいっていうある種のブランドみたいになっている方の本ですね。
― 話は変わるんですが、高知で撮影された映画あらうんど四万十~カールニカーラン~にもご出演されていますが、出演が決まったのはどのような経緯からですか?
デ: 最初は、主演の西村さんと監督の松田さんと3人で飲んでいる時に映画を撮るために活動しているという話題が上がっていて、一緒になにかやりませんかとお誘いを受けたんです。
その時はイラストだったりでなにかしらご協力できることがあると思い二つ返事でお引き受けして、ロゴのデザインをさせて頂きました。そこから話が飛躍して、高知出身の方が出られるんで、出てみませんかとお誘いがあって。
その時は口約束だったんですが、まさか実現するとは思っていなかったので、少し驚きました(笑
― 作中でも、こいでサイクルなどでデハラさんのフィギュアがちらほら登場していますが、あれは映画用につくられた作品ですか?
デ: いえ、あのフィギュアはソフビでうちのなんですけど、松田監督がうちに遊びに来られた時に「小道具で使ってもいいですか?」と見つけて使われたものですね。
― 演じられた際になにか苦労されたことはありますか?
デ: そうですね。やっぱり幡多弁でしょうか。
年代によってだったり、地域によっても若干ちがってくるので、覚えるのに一苦労しました。
― ライブペイントについてもお伺いしてもいいですか?
デ: はい。ライブペイントって絵を描いたり作ったりする人ならそうじゃないかと思うんですが、普通は10分描いてるのを見てると飽きてくると思うんですよ。
なので、できるだけコミュニケーションをとって観てくださってる方が楽しんで頂ければと思ってやってます。
― ライブペイントで描かれるネタというものは事前に決められているんですか?
デ: そうですね。事前に決めて描いています。
― 今回のライブペイントでは、4コマを描かれていて、途中3コマ目に飛んで描いてらっしゃいましたけど、あれは何か意図があってですか?
デ: あ、それは順を追って描いていくとオチが見えちゃって面白くないかなと思って。
なんでも最後が見えちゃうとおもしろくないじゃないですか。だから敢えて順番変えたりはしてますね。
今回の個展の記念イベントとして、で1月3日の個展初日に会場となったファウストで。
また、本とフィギュアというテーマだったこともあり10日には金高堂さんにてデハラさんのライブペイントが開催されました!
その様子が動画にまとめられていますので、どうぞ!
デハラユキノリさん、サイン入りポストカードプレゼント!
最後に、この記事を最後まで読んでくださった方へ、デハラさんからのスペシャルプレゼント!
ぜよ。と大きく描かれたデハラさんのサイン入り龍馬のポストカードを先着5名様に。
応募方法は下記のフォームに必要事項を記入して送信するだけ!
※応募は終了致しました。
高松市TOYTOYTOYにて本とフィギュア展開催!
今回のデハラさんの個展。3月からは高松で開催されるそうです!
展示される作品の数はなんと50体!それぞれの作品のモチーフも同じく展示されるとのこと!
■開催期間:3月1日(火)~3月31日(木)
■TEL:087-814-3959
■URL: http://www.toytoytoy.jp
■営業時間:12:00~18:00 月曜定休
■住所:〒761-8078香川県高松市仏生山町甲455-2
※車でお越しのお客様は仏生山温泉北側駐車場をご利用ください
土佐のおきゃく期間中、土日に開店べろべろショップ2016
べろべろの神様グッズ、デハラグッズを販売するスペースができます。期間中の土日のみ■出店日:3/5(土)・3/6(日)・3/12(土)・3/13(日)
■出典時間:12:00~18:00
■場所:「ガルバンゾ」帯屋町デューク南裏の路地
おきゃく非公式ポスターも200枚限定で配布されるようで、期間中にデハラさんがいらっしゃればサインして頂けるとのこと。
その他グッズに手ぬぐい(¥1,000)、ソフビ(¥1,000)、ストラップ(¥1,000)、バッジ(¥350)、ポストカード(¥150)、シール×2枚(¥10)も販売予定!